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【momoco_vol.01】色と人を愛するペイントアーティストが、世界に羽ばたくまで

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TARRAGOオフィシャルアンバサダーの素顔を読み解く新企画の第2弾!

スペイン・TARRAGO(タラゴ)社が製造・販売を手掛ける“TARRAGO”の【スニーカーペイント】を独自のパフォーマンスで使いこなす2名の日本人アーティストが、本国公認アンバサダーとして活躍しています。

 

そのうちの1人であるmomocoさんは、「色をこよなく愛する画家」として知られる通り、鮮やかな色彩を巧みに操るペイントアーティスト。

スニーカーペイントに限らず、ライブペインターとして高さ10メートルの壁に描く巨大アートや、フリージア 80,000 本を使った花絵のデザインを手掛けるなど幅広い分野で精力的に活動されています。

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momoco/桂川桃子

「色」をこよなく愛する画家。

大手アパレルブランドのファッションデザイナーとして10年活躍され、華々しく画家へ転身。

デザイナー時代に経験した色のバランスを活かした作品には、常に新しいトレンドや流行色を取り入れ進化し続けるアートを描き、国内外問わず、精力的にアートと向き合い発信を続けている。

2018年には、「Googleが選ぶ日本人アーティスト9人」に選ばれるなど、そのセンスと実力は世界を魅了している。

そんなmomocoさんのさらなる魅力を探るため、「Sneakerscare」公式サイトが直撃インタビューを遂行!

momocoさんと同世代である筆者との“女子トーク”は優に1時間を超える盛り上がりでした。

今回は、そんな模様をたっぷりとお見せして、momocoさんの魅力をお届けします。


 

好きなものって、愛があるから描きたくなるんですよね。

momocoさんには、我が家のウサギのバースデーアートを描いていただきました。その節はありがとうございました!

「こちらこそありがとうございました!ウサギさんめちゃくちゃ可愛いですよね。本当に羨ましいなぁって思いました。

私も動物が大好きで、昔パグを飼っていました。また飼いたいんですけど、賃貸的に飼えなくて…。

絵のプレゼントは、普段からたくさんしています。大好きな人の絵はほとんど描いています。

お誕生日だったり、引っ越しで会えなくなってしまうタイミングだったり。忘れてほしくないので絵を渡します。

好きな人って描きたくなるんですよね。ウサギちゃんも可愛いから描いていてすごく楽しかったですし、好きなものって愛があるから描きたくなるんですよね。」

—アートを語る言葉のひとつひとつに愛が溢れるmomocoさん。ズバリ、なぜそんなに色を愛しているのですか?

「カラフルなものがもともとすごく好きで、色から出るエネルギーがありますよね。そういうエネルギーを目で見て元気になって、見ているだけで晴れやかな気持ちになってほしいという想いでカラフルなアートを描くようにしています。

モノトーンな作品も描いていた時はありますけど、やっぱりカラフルな方が元気になってくれるような気がしたし、私も描いていて楽しいので、今はカラフルな絵を描くことの方が多いですね。」

—私の中でmomocoさんのイメージはビビッドな赤色なんですが、実際は何色が一番お好きですか?

「赤が好きそうってよく言われますが、一番好きな色はターコイズブルー。誕生石がターコイズなので。心を落ち着かせてくれる効果もあるので好きですね。でも、お部屋はシンプルに白いです(笑)」


 

母に褒めてもらいたくて、ずっと絵を描いていました。

—momocoさんはもともと10年間ファッションデザイナーとして活躍され、その後は画家へと転身されていますが、絵はいつ頃から描き始めたんですか?

「小さい時からカラフルな絵を描いていました。ファッションも小学生の時から大好きで、その頃から服装もビビッドなものが多かったです。

もともとは絵の方が好きだったんですけど、親に『絵ではご飯を食べていけない』『絵をお仕事にするのは難しいんじゃないか』と反対されて。

子供の頃は、親の意見を聞いちゃうじゃないですか。なので、気付いたら画家ではなくて、ファッションの道に進んでいました。

でもずっと絵を諦められなくて、高校生の時に自分でありとあらゆる絵のコンクールに送ったんです。

それでグランプリを2年連続で取ったら、ファッションの専門学校から特別特待生ということで来てほしいと言われて、そのままファッションの道にどんどん進んでいきました。

本当は美大に行きたかったんですけど、金銭面とかも含めて、画家への道は遠のいちゃいました。

 

デザイナーになってからはデザイン画を描くのがすごく好きでした。アートと近いものがあるんですよ。

でも現実は、パターンを勉強したり、お洋服の世界は難しいから、すごく悩みながら10年間ファッションの世界で頑張ったけど、やっぱり画家が諦められなくて。

なので、お仕事終わりにライブペイントをして地道に活動を続けていました。」

—ファッションと画家、好きなことを2つもお仕事として叶えるのはすごいことですよ。

そこまで絵が好きになったきっかけは何かあるんですか?

「小さい頃から、時間があればひたすら絵を描いていました。自分で想像した女の子の絵や、お洋服のデザインを描いていました。

好きになったきっかけは、保育園の時に母の似顔絵を描いたんです。今思えばすごく下手なんですけど、母がそれを見てすごく喜んでくれて。

普段、うちの母ってあんまり褒めてくれないんですよ。それが私を褒めてくれた最初で最後かも。

母に褒めてもらいたくて、ずっと絵を描いていましたね。

今も、絵では一切褒めてくれないです。ちょっとしたことでは絶対に褒めない、かなり厳しい人。すごく優しいのに褒めない。だから逆に頑張りたいって思えて。今思えば、戦略だったのかもしれないですね(笑)。

 

母も絵が好きです。近代日本画の横山大観さんの絵がすごく好きで、よく美術館に連れて行ってもらいました。

母は、大先生のカバン持ちをしているような書道家だったんです。でも、子供ができたことで夢を諦めてしまった。

なので、私がアートで食べていくのは難しいと反対したんでしょうね。難しいことを知っていたから、娘にやらせたくなかったんだと思います。」

—そんな厳しいお母様に育てられたから、momocoさんのような素敵な女性になったんでしょうね。

画家として成功されて、お母様も喜ばれてるんじゃないですか?

「何も言ってくれないから分からないです(笑)。いまだにスパルタが続いているので。

色んな方のアートを自宅に飾っているのに、私の絵を飾っているのは見たことがないです。おかしいですよね(笑)。

私のアートで、タバコを吸っている女性をよく描くんですけど、母をイメージしています。すごいヘビースモーカーなんです。私は意外ってよく言われるけど、一切吸わないです。

母がかなりのヘビースモーカーだったので、私は吸わない方がいいなと思いました。

子供の頃、私が飲んでいたオレンジジュースを灰皿にされて(笑)。それを飲んでしまって、オエッ!て。

すごく元気でパワフルな人。冬でも半袖着てるんですよ。

 

ちなみに、2歳下の妹がいるんですけど、私よりもアートが上手くて(笑)。大きな壁画作品の時は、手伝ってくれています。

妹は元消防士で筋肉ムキムキ。なんでもできる子なんです。絵も描けるし、火も消せるし。今は2人の子供を育てるお母さんです。」

—恐るべし桂川家!


 

アートにエロスとリアリティを。

-momocoさんはかっこいい女性を描くことが多いですよね。

「自分自身がかっこいい女性に憧れているので、可愛いよりも、かっこいい女性が好きです。

女性を描く時は何かを見ながら描くこともあるんですけど、だいたいは想像です。」

—ヒール姿の下半身の女性を描かれたアートが大好きで。華奢じゃない足が、リアルでエロくて好きです(笑)。

あえてスタイル良く描いていないのが、すごく好きなんですよね。

「ありがとうございます!女性に好きって言われるのは本当に嬉しいです。

アートにエロスとリアリティを取り入れることが好きなんです。気付く人だけが気付く遊び心がある要素を入れたり。

あの絵はウクライナの戦争のニュースを観て感化されて、『人種とか関係ないよ』ということを伝えたくて。ヒールが折れているんですけど、一生懸命立っている。

あえて足だけ描いているのがポイントで、顔は見てくれたみんなの想像次第。メッセージ性のあるアートが好きですね。」


 

筆箱の中から消しゴムを捨てた。

—お母様の似顔絵がきっかけで絵が好きになられたとのことですが、それ以外で記憶に残っている作品はありますか?

「小学校1年生の時に描いた巨大な黄色花の絵で、人生初めての賞を取りました。

『頭の中にある想像上のお花を描きなさい』という課題で佳作に選んでいただいて、すごく嬉しかったことを覚えています。」

—女性って妄想好きですよね。momocoさんの想像力の源は、どこから来ていると思いますか?

「私も妄想好きです。田舎育ちで周りに何もなかったので、想像ばかりしていました。

そういう経験も、今の製作活動に活かされていると思います。何もない環境が、イメージのぶつけ先だったんじゃないかな。

無いからこそ想像する。想像して、うまく描けないから何度もチャレンジする。

 

すぐ頭にイメージが湧くんです。なので、それをあとは形にするだけ。

配色は描きながら作っていくことが多いです。たまたま、この色とこの色を混ぜ合わせたらすごく綺麗な色になったっていうような偶然を大事にしているので。

想像していたことと違うことが起きるんですけど、その偶然を大事にしていると、いつもよりも上手く描けることもあります。」

—私は妄想のぶつけ先がないので頭の中で萎んでいくだけですが、momocoさんはアートで表現する。

どうしたら、そんな才能が芽生えるんですか?

「絵を上手く描ける方法はないかとずっと考えていたんですよ。

それで行き着いたのが、“筆箱の中から消しゴムを捨てる”だったんです。消しゴムがあるから間違えちゃう。だから、そもそも消しゴムを無くせば上手く描けるんじゃないかなと思ったんです。

結果、めちゃめちゃ上手くなりましたよ!一番良い方法だと思います。

失敗した部分を失敗したと思わせないようにごまかすのもポイントです。例えば、顔のラインが大きくなっちゃったら髪の毛のように持っていくとか。

アレンジしていくうちに、どんどん一線一線が上手く描けるようになってくるんですよね。

 

失敗はしょっちゅうあります。でも、この“消しゴムを捨てる”というのが活かされていて、失敗してもアレンジ能力を活かしています。

過去に、ライブで持っていかないといけない絵具を忘れちゃったことがあって、それをごまかすようなアートに変えました。

ライブではキャンバスが落ちてきちゃったり、失敗ばかり。でも、そういうハプニングをうまく利用して描いています。」

—ライブではお客様の目の前でパフォーマンスをするから失敗が許されないですもんね。

でも、momocoさんは常に凛としているので、本番でも平然としているイメージです。

「私、めちゃめちゃ緊張するんですよ。“どうして、こんな髪の毛が抜けるほどのストレスを抱えて絵を描いているんだろう!”と思ったり(笑)。

でも、プレッシャーを楽しむタイプかも。ドMなんでしょうね(笑)。

なんで自分をこんなに追い込んでいるんだろうと思いながら、いつも描いています。だから、緊張をほぐすために裏ではお酒をガーって飲んでいます(笑)。」

—“お酒大好き画家”の起源はそんなところに!


 

次回、momocoさんが画家を志すきっかけとなったある人物との運命的な出会いとは…?

【momoco_vol.02】をお楽しみに!

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