“履いて楽しむ”カスタムスニーカー
今回は、「スニーカーカスタムに挑戦してみたい」という方や、「買ったから正しい使い方を知りたい」というビギナーさんに、タラゴ流・スニーカーカスタムの基礎をお届けします。
巷では、誰でも簡単にできる方法として様々なスニーカーカスタムのやり方が錯綜していますが、こちらでお伝えしたいことは、スニーカーペイント専用塗料の大切さと、カスタムを成功させる正しい秘訣です。
ただ絵を描いたり色を塗ったりしておしまいではなく、ちゃんと身に着けるものとして機能させるためには、下準備や仕上げがかなり重要です。
慣れるまでは大変だな…と感じる工程が無きにしも非ずですが、本気でスニーカーカスタムを極めたい方にとって知って損することはないので、タラゴを信じて最後まで読んでいただければと思います。
タラゴ スニーカーペイントは、アクリル系水性顔料を用いた塗料で、抜群の発色・定着力・伸びの良さを誇ります。
何度も塗り重ねなくても膜厚を薄く塗り伸ばすことができるので剥離しにくく、塗料の扱いに慣れていない方でも非常に塗りやすく、初めてカスタムに挑戦する方でも失敗しにくいメリットばかりです。
顔料の濃度が高いことから、筆で一塗りするだけで一発で色が着きます。
キズを隠す補色力やカバー力はもちろんのこと、摩擦や曲げ伸ばしに対する耐久性にも優れているので、カスタムをした後は「見て楽しむ」だけでなく、「スニーカーとして履く」ことができるオリジナルスニーカーを作ることができます。
カスタム開始!
Before
それでは、スニーカーペイントを使ったスニーカーカスタムをご覧いただきましょう。
カスタムするのは、セールで2,000円で購入した合成皮革のスニーカーです。
本格的なカスタムをする場合は、履き古したスニーカーよりも新品を用意されると仕上がりに差が出ます。
01.ブラッシング
ブラッシング
ブラッシングでホコリや砂を払いましょう。
そのままスニーカーペイントを塗布してしまうと、塗料に混ざってしまうので必ず綺麗にしてください。
ブラッシングに使うのは、タラゴ スニーカーダストリムーバーブラシです。
長くて柔らかい化繊毛が小さな隙間に入った取りにくいホコリも取り除いてくれます。
02.マスキング
カーブは細かくちぎって
貼りつける
塗料が付着してはいけない部分や、次の工程の〈サンディング〉で削らない部分をマスキングテープでカバーします。
ビギナーさんは知らない間に手に塗料がついてしまって手を汚しやすいので、色をつけたくない部分をすべてマスキングした方がいいでしょう。
塗料がついた手で持つと、内側やソールにもついちゃうので注意してくださいね。
マスキングテープは、カーブに沿わせるために細かくちぎりながら貼ると、浮いたりせず綺麗に貼りつけることができます。
はみ出たマスキングテープを押し込む
細部の調整に便利
はみ出した部分はヘラでステッチの中に押し込みます。
ヘラは何でも良いので、このようなカニをほじるカニフォークを使いましたが意外といけました。
カッターでやってもいいですが、慣れていないとステッチを切る恐れがあるので注意しましょう。
03.サンディング
サンディング
表面を荒らしてスニーカーペイントの定着をよくするために、800番手のサンドペーパ―でやすりがけをします。表面のツヤを見ながら、丁寧にならしていきましょう。
この工程をサボると、スニーカーペイントの定着が悪くなったり、仕上がりが雑になったりするので、少し面倒ですが頑張りましょうね。
ステッチなどの細かい部分は、サンドペーパ―の角を使うなどして慎重に行い、ステッチを切らないように注意してください。
サンディングで出た粉も、スニーカーダストリムーバーブラシを使えば簡単に落とすことができます。
04.コンディショニング
①コンディショナーで拭き取る
②乾く前にクロスで拭き取る
タラゴ コンディショナーで、スニーカーにもともと付着している仕上げ剤などを綺麗さっぱり落としてペイントする部分を整えます。
靴クリームや仕上げ剤が付着しているとスニーカーペイントが定着しないので、カスタム前には下処理が非常に重要です。
新品のスニーカーでも、製造工程で何かしらの塗料が塗られている場合があるので、新品だからといってこの工程を端折るのはNGです。
拭き取りのポイントは、せっかくコンディショナーで拭き取ってもベタついた状態のままだと、またホコリが付いてしまうので、乾く前にクロスで乾拭きすることです。
このコンディショナーは汚れ落としの効果も抜群なので、カスタムする前にしっかりと汚れも拭き取っていきましょう。
新品でも汚れが落ちる
05.ペイント
では、スニーカーペイントを塗っていきましょう。
色は、60色以上あるスニーカーペイントのカラーバリエーションの中からお好きなものを選んでください。
Sneakers Paint Color Chart
2色以上の調色にはパレット必須
まずは、かかとを薄めのベージュにしたいので、300.ホワイトクリームと301.マキアージュを混ぜます。
調色は、薄い色に濃い色を徐々に混ぜていくと微調整ができて失敗が少ないです。
サイドは、750.パステルオレンジにマキアージュを少し混ぜた色にしました。
300.ホワイトクリーム
301.マキアージュ
750.パステルオレンジ
次に塗布していきますが、タラゴ スニーカーペイントの使い方のコツは、“少量を塗り広げる”ことに尽きます。
しつこいくらいに言いますが、一塗りで定着の良さが圧倒的で色づきもいいので、一回筆に取った分で塗り伸ばしてください。
逆に厚塗りにするとムラになり、なかなか定着しなくて作業効率も下がります。
膜厚が分厚くなればなるほど、履いた時に剥離しやすくなるので要注意です。
少量を薄く塗り伸ばすのがポイント
細部は筆を立てて塗る
筆はガシガシと小刻みに動かすと、筆の筋が消えて色をぼかすことができて塗りムラが自然に仕上がります。
筆は使いやすい形のものでいいですが、平筆だと先端が角ばっていて細かい部分が塗りやすいので、ビギナーさんは平筆が使いやすいかもしれません。
あと、毛が抜けやすい筆を使うと塗布面に毛が付着して大変なので、使用前に筆の状態をチェックしておきましょう。
ドライヤーの温風で熱を当てる
一通り塗り終えたら、塗料を定着させるために30cmほど離した場所からドライヤーの温風を約30秒かけるのですが、真上から当てるのではなく、斜めから風を逃がすように当てると塗料がよれにくいです。
スニーカーペイントは非常に速乾性に優れており、何もしなくてもすぐに乾いてくれますが、熱を当てる理由は“定着力の向上”です。
何度も言いますが厚塗りは厳禁なので、少量ずつ塗ったらドライヤーの温風で定着させるという工程を希望の色味になるまで繰り返します。
繰り返すといっても、2~3回が限度だとは思います。それ以上塗ると厚塗りになりますし、2回くらいで十分色がつくので塗りすぎないようにしてください。
番外編.失敗例
突然ですが、ここからの工程は失敗例としてご覧いただければと思います。
良かれと思ってやったのですが、少し工程をミスってしまいました。
しかし、皆さんの参考になると思うので包み隠さずそのままお見せします。
コーティング・薄め剤
1:1で希釈
絵を描く時の水彩絵の具のように、スニーカーペイントも希釈した方が塗りやすいと思い、スニーカーペイント コーティング・薄め剤で希釈してみたのですが、実際塗ってみると、表面になかなか定着せずに塗料が動いてしまい、結果として厚塗りすることになってしまいました。
ちなみに、コーティング・薄め剤は色を薄めたい時や、コバなど細部に少し色を乗せたい時、または塗料が乾燥して固まってしまった時など使い方を間違えなければカスタムには欠かせないアイテムです。
向かって左:希釈なし 右:希釈あり
向かって右側が希釈した方ですが、ムラがあるのが分かりますか?スニーカーの地肌が見えています。
希釈していない方は、たった一塗りでムラなく綺麗に塗れました。
マスキングテープを剥がす
色を塗り終えたらマスキングテープを剥がしましょう。
マスキングで隠れていた部分が塗れていないことがあるので、細い筆を使って慎重に修正してください。
マットメイカーを塗布
ペイントしていない部分も塗布
コーティング剤は2層に分離しているので、必ずよく振ってください。
筆で塗ってもいいですが、スポンジの方が薄く塗り伸ばしやすいです。
コーティング剤は全体の風合いを統一させるため、ペイントしていない部分にも塗布してください。
スニーカー自体をコーティングするので、汚れ防止効果も期待できます。
After
After
After
最後は1日以上自然乾燥でゆっくり完全に乾かしたら、完成です。
これくらいのカスタムであれば2時間ほどで出来てしまうので、ぜひ皆さまもスニーカーカスタムを始めてみてはいかがでしょうか?
タラゴ スニーカーペイントは、カスタムデビューされる皆さんを応援しています!